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色覚異常だと就けない仕事はある?仕事・資格・働き方を公的情報から整理

色覚異常があると就けない仕事はあるのか。一般企業、普通自動車免許、鉄道運転士、航空管制官、パイロット、海上保安庁、自衛官、消防士、小型船舶操縦士などについて、2026年8月時点の公的情報と筆者自身の実体験から整理します。

この記事で分かること

  • 色覚異常があることだけで、一般的な仕事が一律に制限されるわけではありません。
  • 一部の仕事・資格では、現在も色覚や色の識別能力に関する基準があります。
  • 同じ業界・組織でも、職種や採用区分によって条件が違う場合があります。
  • 仕事選びでは「職業名」だけでなく、実際に何をどう見分ける業務なのかを見ることが重要です。

「色覚異常があると、就けない仕事があるの?」

色覚特性について調べていると、仕事や資格への影響が気になる人は多いと思います。

僕自身も色覚特性がありますが、仕事について調べてみると、単純に「色覚異常だから、この仕事はできない」と職業名だけで分けられるものではありませんでした。

現に僕は現在も土木関係の仕事に従事しています。まったく困ることがないわけではありませんが、周囲の理解や協力を得ながら仕事を続けています。

先に結論を書くと、一般的な仕事については、色覚異常があることだけを理由に一律で就けなくなる仕組みにはなっていません。

一方で、航空・鉄道・船舶・自衛隊など、安全上、色や信号の識別が重要になる一部の仕事や資格では、現在も色覚に関する基準があります。

しかも、その基準はすべて同じではありません。大阪労働局も、単純に「色覚異常は不可」などの求人条件をつけるのではなく、色を使う仕事の内容を具体的に示し、採用時の検査については職務との関連性を慎重に検討するよう案内しています。[1]

情報確認日:2026年8月17日
仕事・資格の基準や採用条件は変更されることがあります。実際に応募・受験するときは、必ずその年度の公式募集要項や最新基準を確認してください。

まず一覧で見ると

仕事・資格 色覚に関する扱いの概要
一般企業への就職 雇入時健康診断の色覚検査は2001年10月から廃止。職務との関係なく「色覚異常は不可」とする条件をつけないよう案内されています。
普通自動車免許 赤色・青色・黄色を識別できることが基準です。
鉄道運転士 「動力車の操縦に支障を及ぼすと認められる異常がないこと」という基準です。
航空管制官 2026年度採用試験では、色覚に異常のある人は不合格です。
パイロット 航空身体検査基準に「航空業務に支障を来すおそれのある色覚の異常がないこと」とあります。
海上保安庁 採用区分によって基準が異なります。
自衛官 採用区分・飛行要員などに応じた色覚基準があります。
消防士 自治体・消防本部ごとに最新募集要項を確認する必要があります。
小型船舶操縦士 夜間に船舶の灯火の色を識別できることが基本基準です。

ただし、この表だけを見て「自分はなれる・なれない」と判断しないでください。

募集区分や制度は変更されますし、同じ組織でも仕事内容によって基準が違うことがあります。

一般企業では「色覚異常だから採用不可」と単純にはならない

色覚検査で異常と判定された人でも大半は業務に支障なく働けることが分かってきたとして、2001年10月から「雇入時健康診断」の診断項目から色覚検査は廃止されています。[1]

大阪労働局は、「色覚異常は不可」などの求人条件をつけるのではなく、色を使う仕事の内容を詳細に記述し、採用時の色覚検査を含む健康診断については、職務内容との関連で必要性を慎重に検討するよう案内しています。[1]

日本眼科学会も、根拠のない採用制限を行わないよう指導されている一方、微妙な色の識別そのものが必要な職種などでは就職できない場合があると説明しています。[2]

普通自動車免許は取得できる?

現在の運転免許の色彩識別能力の合格基準は、赤色・青色・黄色を識別できることです。[3]

僕自身も色覚特性がありますが、普通自動車免許を取得しています。

日本眼科医会も、普通自動車第一種免許について、現行基準では赤・青・黄を識別できることとされ、色覚異常がある人のほとんどが取得していると案内しています。[4]

鉄道運転士は、近年基準が見直された

国土交通省は2024年7月、動力車操縦者運転免許の身体検査基準を見直し、色覚などについて「正常であること」としていた基準を、「動力車の操縦に支障を及ぼすと認められる異常がないこと」という表現に改めています。[5]

そのため、昔の記事だけを見て「色覚異常なら鉄道運転士は絶対に無理」と判断するのは危険です。

航空管制官には現在も明確な色覚基準がある

国土交通省の2026年度航空管制官採用試験では、身体測定で色覚を確認し、「色覚に異常のある者」は不合格とされています。[6]

パイロットにも航空身体検査基準がある

パイロットは航空身体検査証明を受ける必要があります。国土交通省が公開している航空身体検査基準では、第一種・第二種とも視機能について、「航空業務に支障を来すおそれのある色覚の異常がないこと」と定められています。[7][8]

海上保安庁は「どの採用区分か」で違う

2026年度の海上保安大学校の試験情報では、色覚に異常があっても「職務遂行に支障のない程度の者は差し支えない」とされています。[9]

一方、海上保安庁海洋情報部の2026年度専門職試験では、「色覚に異常のある者」が不採用条件として示されています。[10]

同じ海上保安庁でも採用区分によって違うため、自分が受験する区分のその年度の募集要項を見る必要があります。

自衛官にも色覚基準がある

防衛省・自衛隊の募集サイトでは、一般的な基準について、公式表現で「色盲又は強度の色弱でないもの」と示されています。また、飛行要員では色覚について「正常なもの」とする、より厳しい基準があります。[11]

なお、ここでの「色盲」「色弱」は、防衛省が現在掲載している基準の表現をそのまま示したものです。

消防士は自治体ごとに最新条件を確認する

消防職員は自治体・消防本部ごとに採用されるため、全国一律の一覧だけで判断するのは難しいです。

例えば、総務省消防庁の消防本部サーチに掲載されている小野市消防本部の2026年度採用情報では、色覚について「消防職の業務に支障がない人」という身体要件が示されています。[12]

小型船舶操縦士は「診断名」ではなく実際の識別能力を見る

小型船舶操縦士の現在の色覚に関する身体検査基準は、「夜間において船舶の灯火の色を識別できること」です。[13]

この基準は2005年に、それまでの「色盲又は強度の色弱でないこと」から変更されました。夜間灯火の検査に合格しない場合でも、航路標識の彩色を識別できるときは、航行時間を昼間に限定した免許を取得できる仕組みがあります。[14]

僕の場合、仕事そのものより「仕事の中の一部分」で困る

僕は現在も土木関係の仕事に従事しています。色覚特性があることで、土木の仕事そのものができないわけではありません。

ただし、仕事の中の特定の場面で困ることはあります。

例えば18歳で現場監督をしていたころ、ぬかるんだ土の上に赤いスプレーで書かれていた文字に気づかず、その場所を踏んでしまったことがあります。

しかも、「そこに赤い文字がある」と教えてもらったあと、意識して探しても僕には見つけられませんでした。この経験は「僕が18歳で初めて色覚異常に気づいた話」で詳しく書いています。

別の現場では、周囲の景色に紛れた赤い杭を見つけにくいこともあります。こちらは赤い杭についての記事で記録しています。

「土木関係の仕事ができない」のではなく、「色だけを手掛かりに場所や状態を示されると判断しにくい場面がある」という方が、僕の場合の実態に近いです。

現在は、そうした見え方について周囲に理解してもらい、必要な場面では確認してもらったり、色以外の情報を使ったりしながら仕事を続けています。

仕事を選ぶときは「職業名」より仕事内容を見る

  • ランプの色だけで機械の状態を判断するのか
  • 文字や数値も表示されるのか
  • 杭の色だけで場所を判断するのか
  • 位置や番号でも確認できるのか
  • 微妙な色差そのものを判定する仕事なのか

色を使う仕事でも、文字・番号・形・位置・模様・音など別の情報があれば判断できることがあります。

「この職業になれるか」より、「この仕事では何をどう見分ける必要があるか」まで確認した方がいいと思います。

ネット上の簡易テストだけで進路を諦めない

日本眼科学会は、色覚検査表だけでは色覚異常の可能性を調べることはできても確定診断まではできず、程度判定にはパネルD-15などの検査が用いられると説明しています。[2]

特に身体基準が明確に定められている仕事を本気で目指すのであれば、ネットの簡易テストで「自分は無理だ」と決めず、最新の募集要項を確認し、必要なら医療機関等で正式に確認する方がいいと思います。

「色覚異常だから無理」でも「何の問題もない」でもない

僕自身、色覚特性がありながら普通自動車免許を取得し、現在も土木関係の仕事を続けています。

一方で、仕事中に赤いスプレー文字や赤い杭を見つけられなかった経験もあります。

だから、「色覚異常でも何でも問題なくできる」とも、「色覚異常ならこの仕事は無理」とも言い切れません。

自分がどんな場面で見分けにくいのかを知ること。そして、その仕事で本当に必要になる能力と、現在の制度上の条件を確認すること。これが大切だと思います。

制度自体も変わります。鉄道運転士のように基準が見直された例がある一方、航空管制官のように現在も明確な色覚基準がある仕事もあります。[5][6]

色覚特性があるという理由だけで、本当はできる仕事まで最初から諦める必要はない。

僕自身の経験からも、そう思っています。

関連記事

参考資料・出典

  1. 大阪労働局「採用選考時の健康診断について」
  2. 日本眼科学会「先天色覚異常」
  3. 警視庁「適性試験の合格基準」
  4. 日本眼科医会「色覚異常を正しく理解するために」
  5. 国土交通省「動力車操縦者運転免許の受験資格等の見直し」
  6. 国土交通省「航空管制官 採用試験」
  7. 国土交通省「航空従事者の医学適性や航空身体検査の証明について」
  8. 国土交通省「航空身体検査基準」
  9. 海上保安大学校「令和8年度本科・初任科入学試験情報」
  10. 海上保安庁 海洋情報部「試験情報」
  11. 防衛省・自衛隊「身体検査等の基準について」
  12. 総務省消防庁「小野市消防本部 令和8年度採用試験情報」
  13. 国土交通省「小型船舶操縦士 試験の概要」
  14. 国土交通省「小型船舶操縦士に係る身体検査基準の改正について」
注意:この記事は2026年8月17日時点で確認できた公的情報をもとに整理しています。採用条件・資格基準・身体検査基準は改正される場合があります。実際の応募・受験時には、必ず各機関の最新の公式募集要項・基準を確認してください。筆者自身の仕事・免許に関する記述は本人の実体験であり、すべての色覚特性のある人に同じ結果を保証するものではありません。